大量生産されるPhDの行方は。

Nature誌20 April 2011号のNews Feature"Education: The PhD factory"の日本語訳が7月号のNature ダイジェストに掲載されているので改めて読んでみた。こうやってデータで見せられるとPhD取得者が全世界的に増えているのがよくわかる。


特に興味深いのは、図4の博士号の値打ち

日本の就職率は修士(71.1%)>博士(61.9%)>大卒(60.8%)の順で就職率がよい(学校基本調査(大卒=図4、修士=図10、博士=図11))。*1


私は理系大学院しか知らないし、データを見たわけではないので以下は私見になるが、大卒と修士卒の違いは”研究の作法を知っているか否か”にあると思う。就職率が修士の方がよいということは、企業の人はこの”研究の作法を知っている”ことに価値を見いだしているのだろう。


では、博士の就職率が修士より悪いのはなぜだろうか(給料もほとんど変わらないみたいだし)。博士の価値は本当に無いのだろうか。


最近の私は”博士号”は何か新しいことを手がけ、やり遂げた証なんじゃないかなって思っている。だから、いまシステムがうまく回っているところや、問題があるけど何とか内部の人で対応できるところではあんまり必要なくて、それより、人不足のところ、やったことがないことをする時にその価値がでる。身の回りで民間就職したPhDをみてるとそう思う。なので、この辺が博士のスキルなんですよって見やすい形にしてみると良いのではないかな〜。


なんてね★


全文はこちら。
PhD大量生産時代

*1:(H19年調査では大卒>博士だったから逆転したんだね。それにしてもH20、H21のPDFがみれないのはなぜ??)