大学病院経営について思う

はてなブックマーク人気エントリーで見つけた以下記事についての所感。

ほんとうにこわ〜い話〜国立大学病院の経営問題〜
http://www.mie-u.ac.jp/blog/2009/01/post-139.html


...なぜ、赤字の国立大学病院が増えたのかというと...附属病院運営費交付金(以下病院交付金と略します。)を国が激しく削減したからです。国立大学全体の予算としては毎年1%ずつ減らされつづけているのですが、病院交付金はこの4年間で50%以上も減らされたんですね。(約 600億円あった病院交付金が現在約300億円に減りました。)...


国立大学法人の運営費交付金も削減されていて、平成16年の予算額で1兆2,415億円だった運営交付金は、以後毎年削減が続けられ、平成20年度の予定額は1兆1,813億円になった(4年間で600億円強の削減)。来年以降は、削減幅をこれまでの1%から3%に増額する検討が進められている。
http://kaigi.edublog.jp/40280481/


実際、研究室レベルでもこのあおりをひしひしと感じる。以前は1教員あたり大学から校費として百万円(程度)/年の配分があったが、現在では、15万程度/年になっているらしい。


この金額でライフサイエンスの実験(研究)を行うのは無理なので、多くの先生たちの行動パターンは以下のループに入る。

1:研究のために競争的資金という名目のお金(科研費など)を取りに精を出す。

2:競争的資金を獲得するためには業績(論文)が必要(と思われている)なので、論文執筆をがんばる。

3:論文執筆に必要なデータを出すのに、研究費が必要。

(以下1〜3繰り返し)

このループの中に「教育」はなかなか入ってこれない。研究者不正の問題も、このループを改善することで解決するのではないだろうか。


ループの解消方法として考えられる対策

  1. 大学が出す研究費を増やす(→大学自体の収入増を目指す)
  2. 大学が研究費獲得を支援する(→研究室の収入増を目指す)
  3. 「研究」と「教育」を分離する(→教育を研究室から切り離す)


他にもあると思うので海外大学の例を調査を行い、もう少し考えたい。



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追記:
5号館のつぶやきさんのところで、おもしろいニュースを発見した。
 患者団体が1型糖尿病研究を助成 根治療法開発めざす

「研究費は科研費。」と当たり前のように思いがちだが、他にもいろいろ手段はあるのだ。