博士の価値

研究者の事務処理のお手伝いから始まった私の仕事もだんだんと幅を広げ、最近では研究者のキャリアチェンジ支援、学生教育支援なんて活動も行っている。


なので、転職希望のポスドクの人と話す機会も多いのだが、本人の口から民間就職できない理由として、「博士号なんて役に立たない」なんて言葉をよく聞く。


でも、本当にそうなのかな。自分なりに博士課程を通じ得られるスキルについて考えてみた。その結果得られた結論は、以下の3つ

  1. 知っていること
  2. 物事を知る努力をすること
  3. 日常的にPDCAサイクルを回す習慣があること


1:「知っている」ことについて
内容はともかく、何かを「知っている」ということはそれだけですごい。

研究職をやめて、民間就職した際に仕事で関係のある方に「基本的に新しいアイデアは既存の要素の組みあわせである。」という言葉を教わった。既存の要素の組みあわせというと、銅鉄主義*1に感じられて面白くないと思っていた。


でも、この考えは間違っていた。企画系の仕事を任されるようになり、自分でSesameという研究者支援の会社をやってみてよく分かった。新しいアイデアを生み出すには知っているだけでは駄目で関連性を見つけだす能力も必要なのだけど、関連性を見つけるにも、とにかく知らないことには関連性も見いだせないし、アイデアも出ないのだ。

デザイナーの人がデザインのインスピレーションを得るために万華鏡を使うというのに似ているのかな。


とにかく、「知っている」ということはそれ自体ですごいのだ。



ちょっとバタバタしているので、備忘録として記録。上記考察を深めると共に他の2点及びについてはまた後日書くこと。それにしても文字として自分の考えを表現するのは難しいなぁ。

*1:「銅で測ったから次は鉄で測ってみよう。」という新規性、独自性がない研究としてnegativeな意味で使われることが多い。