クリエイティブ・コモンズがよくわからない。


クリエイティブ・コモンズって使いづらい(特に写真など)。と考えるのは私だけなのだろうか。


確かに厳しすぎる著作権が設定されると、自由な作品創造に支障をきたすということはわかるし、その思想にはとても賛成する。でも、著作物に原著者の名前をいれろといわれても、デザイン崩れるし・・・。だったら、お金を払ってもいいからFotoliaから買うよ。と思ってしまう*1



なんでこんなことを考えたかというと、ライフサイエンス統合データベースプロジェクト主催のシンポジウム「科学における情報の上手な権利化と共有化」に参加したからだ。


「科学における情報の上手な権利化と共有化」とタイトルにあるので、てっきり今後の生命科学の土台を支える基盤データの整理方法やデータベースの標準化、データベースからのデータ抽出方法の話かと思いきや、著作権の話だった・・・。英語タイトルが"Balancing IP Protection and Data Sharing in Science"だったことに早く気がつけばよかった。


予備知識が全く無い状態でシンポジウムに参加したのだが、どうやら主催者側は以下の認識を持っているよう。

◆課題:
折角よいデータベース(基盤データ)をつくろうとしているのに、その箱に入れるべきものがあつまらない*2


◆原因:
1.研究データは研究者が私的に保持し公開しない。
2.論文は出版社が著作権をもっているのでなかなか手放さない(著者である研究者が論文投稿時に出版社に気安く譲渡してしまうことに問題がある。)


そこで出てきたのが、クリエイティブ・コモンズとサイエンス・コモンズだ。
主催者側が解決策として考えているのかは最後まで不明だったが、「公的資金を使って取得したデータは、研究成果発表後に公的機関にアーカイブし公開するべき」という思想に基づきインセンティブをお金ではなく、名誉で与えることを着想しているらしい。


しかし、そもそも研究で使った試薬などは論文中にマテリアル&メソッドとして記載されるのだし、論文だったら引用もされる。これ以上何を期待するのだろう。


それよりも、実験したい人は原著者(もしくは大学)からデータを購入し、原著者(もしくは大学)はこのお金を研究予算に当てるという方法はどうだろう。いまでも必要な実験試料は企業から購入しているという背景もあるんだし。金額がいくらくらいが妥当なのかは考える余地があるが、国からの大学予算が減少し、大学本体で研究室の経済援助が難しくなっているいま使えるモノは使った方がよいと思うんだけど、どうなんだろう。研究室間経済格差が広がってしまうかな??



・・・とはいいつも、シンポジウム全体としては欧州のデータ・アクセス推進政策動向などの講演もありとても面白かった。



◆今日の教訓
著作権、特許について、もっと勉強しよう!

*1:原著者への説明はよく見かけるんだけど、実際どう使うのかについての説明を見つけることができなかったので、そこをわかりやすくしてもらえるともっと使いやすいくなるのかもしれない

*2:解析がうまいバイオインフォマティシャン、つまり自分たちにデータが流れてこないのはおかしいという思いもあるらしい。・・・共同研究不得意なのかしら??